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婚姻費用分担その1

去年10月から家庭裁判所で裁判官(非常勤)として離婚調停の仕事にかかわるようになりました。週に1回の勤務ですが,半年間でかなりの件数を取り扱い,弁護士としてこの12年間に取り扱った事件数をはるかに超す事例に接しました。

離婚調停に付随して「婚姻費用分担請求」にかかわる問題をお話ししたいと思います。

夫婦である以上,互いに生活保持義務があります。要するに夫婦が協力し合って収入を出し合い生活を維持する義務です。別居しているからといってこの義務を免れるわけではありません。多くの場合,夫の方が収入が多いので,妻が夫に婚姻費用の分担を請求することになります。

妻からの請求を受けて,婚姻費用を支払いたくない夫の抗弁として代表例は,「勝手に出て行ったのだから払う必要がない」です。

なんとなく気持ちは分かりますが,法律的には,夫の主張は通りません。例外的に,妻の請求が「信義則に反する場合」には妻の生活費の請求が認められない或いは減額される場合があります。「信義則に反する場合」の代表例は,「不貞」です。

婚姻費用の請求は,一般的に緊急性があり,裁判所は迅速に判断しなければなりません,不貞の事実に争いがある場合には,時間をかけてその事実の存否を判断することはせず,別途離婚訴訟や慰謝料の裁判で結論を持ち越すということになります。

婚姻費用の算定に当たっては,家庭裁判所では,双方の収入から簡易に算定できる表を作成しており,調停の実務ではこの表をベースに話し合いがなされています。

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