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司法の役割

大阪高裁の判例がニュースで大きく取り上げられていました。借家の更新料の条項が消費者を一方的に害するもので無効と判断され、すでに払った数十万円の返還を家主に命じるものです。

消費者金融のグレーゾーンの過払い問題もそうですが、当事者間で合意した約束でも「強行法規」に違反していれば無効となる可能性があります。

裁判所はなかなか「画期的な」判決を出したがらないものですから、このような判例を勝ち取られた弁護団の方々には敬服します。

三権分立の仕組みの中で、司法の役割は、当事者間の紛争を解決するために事後的に法律に基づいて、個々のケースについて判断するものです。あくまでも個々のケースについての判断ですから、この判決が出たからと言ってすべてのケースに該当するというわけではありません。

しかし、最高裁判所が判決の理由の中で一般的な基準を示すことがあり、その場合は、事実上すべての裁判所はその判断に従うことになりますので、裁判所が「法律の解釈」といいながら、事実上法律の内容を補充して新たな法律を作ったのと同じような状況になるわけです。

グレーゾーン金利を有効とするのも無効とするのも、更新料の約束を有効とするのも無効とするのも、最高裁の考え次第といっても過言ではありません。

司法は国民からもっとも遠い存在であるから、国民に最も近い立法に遠慮して「謙抑的」であるべきだが、立法の積極的な権限行使が期待できない場面では少数派の人々や立場の弱い人たちの権利を守るために積極的に判断を下すべしというテーゼがあります。

多重債務が社会問題化する中、国会がなかなか抜本的な対策を出せないのに最高裁がグレーゾーン金利を実質的にすべて無効と宣言した判決を出した時は胸がすく思いがしましたが、今回は、全部のケースで無効と宣言するような判決は出にくいのではないでしょうか。上告審の判断が待たれるところです。

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